冬型とフライト

2012/01/08(日)

この季節、よく耳にする西高東低の冬型の気圧配置に、日本列島は縦縞模様の等圧線(天気図)となり、日本海側では雪や曇天に、太平洋側は乾燥した晴天と冷たい北西風が定番となる。
特に、今シーズンは北海道周辺で低気圧が停滞する日が多く同じような天気が長期的に続いているが、関東地方ではこの3連休は等圧線の間隔が開き季節風が弱まり穏やかな成人の日を迎えた。
だが、それは地上の話で上空5000ftでは10~20ktの北西風が定常的に吹いていて小型機で四方を高い山岳に囲まれた甲府盆地から外へ出るには相当の覚悟を要す。
唯一、諏訪方面だけが緩やかに開けているが鬼門は八ヶ岳下ろしが渦巻く須玉から長坂の間でパワーを絞って減速しても機体は木の葉のように揉まれる。
新年の初フライトは松本空港へ片道30分の近距離だったが、操縦桿を握る力と硬く締めたショルダーハーネスで肩が凝った。
写真は帰路、空港の南東8マイル、高度5000ft、外気温-10℃から塩尻峠の向うに諏訪湖、正面に八ヶ岳と右手奥には富士山、強い追風を受け対地速度は200km/hを超える。
双葉10:55~松本11:25 0+30
松本12:40~双葉13:10 0+30

初めの一歩

2012/01/03(火)

初めの一歩を踏み出す夜叉神峠への登りがプロローグだった。
縦走登山が盛んだったC山岳部の時代、毎年のように登った鳳凰三山に通じる最初の峠がそれだ。
芦安村から広河原まで延びた南アルプス林道はまだ未舗装の悪路で車の底を突きながら夜叉神トンネル手前の登山口に向った。
初日は夜叉神峠~杖立峠~苺平~南御室小屋~薬師小屋まで7時間の長丁場で、まだ20代前半の血気盛んな頃だった私は逸る気持が抑えられずスタートから先を急ぎ先輩から怒鳴られた。
先導するリーダーは40代後半のベテランで、その歩みは日が暮れてしまう程にゆっくりとしたペースだった。
だがそれも登山開始から30分を経過したあたりでギヤ変速して少し早くなった。
聞くと「体が温まるまでは絶対に息を切らさない事を守れ」と教わった。
今日は冬型が少し緩み穏やかに晴れた白根三山(写真)を見に峠を目指す。
今では、自分が当時のリーダーの年齢を遥かに越えて嫌でも日が暮れる歩みになってしまったが、懐かしい夜叉神峠に今年の初めの一歩を踏み出した。
夜叉神東10:23~夜叉神峠11:21 0+58
夜叉神峠12:17~夜叉神東12:55 0+38