HARLEY-DAVIDSON試乗

2016/10/30(日)

湯村自動車教習所で毎年開催されている湯村祭りの人気イベントであるバイク試乗会に参加した。
5月に航空学園で開催されたバイク祭りは午後から出掛けたのが遅く、お目当てのYAMAHAの最新モデルXSR900は予約で埋まり試乗の機会を逃している。今日は10時スタートの30分前に会場入りして早々に受付を済ませ今年で生産が終るKAWASAKIのW800に1番で跨った。800ccの今では珍しい空冷エンジンにキャプトンマフラーと外観は昔と変らないビンテージスタイルだが、キックが消滅しボタンひとつのセルスタートに軽いクラッチで発進する。若い頃に友人が所有していた650W1に乗った時に感じたあの強烈なインパクトを期待して加速するが、予想に反したマイルドな乗り心地に少しがっかり。
気を取り直してハーレー4車種を順に試乗して行く。さすがにアメリカンバイクの王者ハーレーは不動の人気を誇り、続々と来場者が増え順番待ちの列ができるが同年代のラーダーも多く、見知らぬ者同士でも共通の趣味に会話も生まれる。
HARLEYブレイクアウトFXSB(2017MODELS)空冷45度V2気筒 1689cc 車重320kg
路面を叩くエンジン音と強力なトルクから生まれるハーレー特有の振動に身も心も踊る。

経験を重ね山を知る

2016/10/23(日)

ハイキングクラブで登山を始めたY君の山歴は5年になり、2週間前の日帰り鋸岳で体力的には自信が付いたようだ。今後は技術レベルの向上が課題になり、その為には少々難しい山行も経験を重ねて体で覚える必要がある。今日もタフな山歩きを希望するY君が同行して、西沢渓谷入口~近丸新道~鶏冠林道東線~林道終点~笹平非難小屋~破風山~雁坂嶺~雁坂峠~香切沢橋~西沢渓谷入口を踏破した。従来はダイレクトに破風山に登るコースは無かったが、近丸分岐~笹平非難小屋の間に開拓されたバリエーションルートをSさんに教えて頂き、西沢渓谷の入口駐車場を基点にした日帰りの周回プランができた。
バリエーションルートには初心者だけの安易な入山を戒めるために、ポイントになる分岐点に道標は無く方位と地形図を参考にルートを読む技術が要求される。出発から2時間ほど、鶏冠林道に出た所で上から屈強な男が下りて来た。言葉を交わした瞬間にSさんの知人で、ボランティアで笹平非難小屋を管理している通称「きこりさん」と気が付いた。僅か5分程の会話だったがSさんから聞いた通り、その風貌とは対照的に優しく温厚な人柄で親しみやすく是非またお会いしたい生粋の山男だった。林道終点から再び尾根に取り付き本格的な急登になるが、小まめに地形図を確認して現在位置をプロットして行く。やがて一面が笹原になり奥秩父の主脈縦走路で登山者の安全を護る笹平非難小屋に着いた。小屋の内部は想像以上に整然とし、土間の中央にはダルマストーブが鎮座し「きこりさん」の分身に見えた。驚いたのが入口の引戸に貼られた隙間風を防ぐスポンジで、細やかな心遣いに頭の下がる思いであった。登山は絶対的に経験が物を言う世界だが、この様に登山道を整備したり非難小屋を管理してくれる人の存在を知る意義も大きい。笹平非難小屋から見上げる破風山(写真)に向け、清々しい気持ちで縦走をスタートした。
西沢口07:10~破風山11:35 4+25
破風山12:10~西沢口16:55 4+45

この秋一番の晴天

2016/10/16(日)

8月下旬から日曜日の度に天気が崩れるパターンが続き今日も午後から曇りの予報だったが、山の雪便りも近いので4時に起きて芦安からの始発5時15分の広河原行き増発便に飛び乗った。広河原から北沢峠への市営バスも臨時便が出て僅かな待ち時間で乗り継ぎ、7時前に北沢峠に到着できた。今日は南アルプス北部で絶好の展望ポイントに位置する早川尾根の最高峰アサヨ峰(2799m)を計画し単独で入山した。バスを降りると気温0℃寒いので朝食は後にして直ぐに歩き始める。長衛小屋前で北沢を渡り栗沢山への直登コースへ入ると朝一番の体には結構きつい急登が始まり後続の若者グループに抜かれる。だが先週までとは明らかに違う乾いた冷たい空気で、樹間から摩利支天を従えた甲斐駒ヶ岳の花崗岩が朝日に輝き期待が膨らむ。森林限界になると栗沢山は近く、期待どおりの眺望が展開しアサヨ峰の陰に隠れた富士山以外は全て見渡せて朝一の疲れも吹き飛ぶ。こうなると足取りも気持も軽くなるのが登山の面白くも危険な所で、アサヨから早川尾根を広河原まで縦走などと軽率に考えてしまう。小さなクライミングも交え登り着いたアサヨ峰の展望は思惑どおり、正面に北岳が屹立、右に大きな仙丈ヶ岳、振り返れば甲斐駒ヶ岳、その右に八ヶ岳、そして鳳凰三山と富士山が、遠景には御嶽山から中央アルプス、北アルプスまで日本アルプスの名峰たち全山揃い踏みである。写真は迷った末に6日前に登った鋸岳が写った甲斐駒ヶ岳方面を選んだ。天気に泣かされながらも低山でのトレーニングを休まず良かった。終バスまでたっぷり余裕の時間がありこの秋一番の晴天の下、のんびり楽々と天空散歩が楽しめた。
北沢峠 07:00~アサヨ峰10:30 3+30
アサヨ峰11:00~仙水峠 13:00 2+00
仙水峠 13:35~北沢峠 14:20 0+45

35年越しの鋸岳

2016/10/10(月)

クラブのY君が同行してくれて約10kmに及ぶ退屈な林道も気が紛れたが、ヘッドランプに照らされる足元の路面だけ見つめて歩行ペースを乱してしまったようだ。横岳峠からコブを一つ越えて本格的な急登になると息が上がり序盤のハイピッチを悔やむ。それでも高度が上がると右手に仙丈岳が大きく見えて元気を貰う。今回の計画は35年前に長野県の戸台から熊ノ穴沢を第二高点まで登った所で、降り出したみぞれに阻まれ引き返した雪辱戦で、特別な登攀用具を必要としない釜無川の源流から入る山梨県側のコースにした。今では第二高点から第一高点に掛けての核心部にはクサリが設置され、登攀用具を使用しなくても登れるようになった事で、安易な入山者が事故を起こすケースが増え残念に思う。山梨側からは横岳峠で尾根に乗り、数ある鋸歯の北端に位置する三角点ピーク~角兵衛沢ノ頭を経て2685mの最高点を目指す。長野側に比べ難易度は低いが、長いアプローチで消耗しても集中力を切らさない基本的な岩登りの技術は求められる。
三角点ピークの直下まで登ると南アルプス北部の名立たる名峰たちが迎えてくれ、行く手の鋸歯の岩稜コースに一段と峻険な第一高点(写真)を捉える。
結果はOKだったがペース配分の失敗から頂上着が大幅に遅れた事で、下山は日没との戦いになった。ビバークのリミットに定めた16時の15分前に横岳峠を通過し、日没ギリギリに林道に出た。遅いスタート時間に計画の甘さなど大きな反省点が残った35年越しの鋸岳であった。
ゲート04:05~鋸 岳12:50 8+45
鋸 岳13:05~ゲート20:00 6+55

熊から逃れヒルに噛まれる

2016/10/02(日)

今朝もビニールでラップされた新聞が配達され、しぶとく居座る秋雨前線にイライラしながら身延の三石山(1173m)を登っていた。
大崩上集落を過ぎ、初めは茶畑、次に杉の人口林が表れ、小さな沢を渡って広葉樹林の緩やかな登り、栗のイガが沢山落ちていて嫌な予感がした時に、唸り声が2度聞こえた。左に曲がった先7~8mほどの登山道脇にヤツは居た。一番厄介な子連れの母熊(1m位)と鉢合わせ。小熊は少し離れた上方に気配がして、小熊を守る母熊の本能で下手をすると襲い掛かって来る。落ち着いてと自分に言い聞かせるが心臓の高鳴りが聞こえそう。睨み合いを凄く長く感じながら小さく小さく後ずさりして距離を稼ぎ、何とか危機を回避できた。車に戻って昼食を摂り、仕切り直しに内船を目指し思親山(1030m)に登る事にした。思親山は佐野峠(845m)まで車で登れば苦もなく頂上に着いてしまいトレーニングにならないので反対側の八木沢(330m)から約700mをワンピッチ2時間で登る予定。コースは熊が好まない杉の人工林で真っ直ぐに北進する東海自然歩道なので迷う心配もないが、人の訪れは少ない感じで高度が上がるに連れ霧が濃くなり夕暮れのように暗い。14:50思親山まで1.6km地点(写真)にて考える。あと陸上競技場のトラック4週か。予定の15:00までに山頂は無理だから潔く引き返しだ。下山後に靴下を脱ぐと様子がおかしい?痛くも痒くもないがズボンを捲くると両足とも大量の出血が止まらない。南部の山にはヤマビルがいることを失念していた。8箇所も噛まれた。10月とは言え今年は雨が多く夏と同様に高温多湿のヒルが大好きな活動期であった。
楽しみにしていた内船駅前の南部の湯は断念した。誰かが見たら救急車を呼んでしまいそう。
八木沢13:00~後1.6km14:50 1+50
後1.6km14:55~八木沢16:15 1+20