グライダーと茅ヶ岳

2008/03/30(日)

茅ヶ岳は登山口の深田久弥記念公園まで自宅から15分と近いのでトレーニングを兼ねて度々登っているが今日は新たに別の目的を持って登った。
1週間前にファルケでフライトしたコースを地上から確認して地形を覚える為だ。
茅ヶ岳は南西に緩やかに延びる裾野と金ヶ岳や曲岳などを総称して偽八ヶ岳と呼ばれていて、規模こそ小さいが起伏と変化に富んだ山容を見せている。
この慣れ親しんだ茅ヶ岳にグライダーで昇るプランを考えている。
曳航機からの離脱地点は山頂の南13kmで高度は通常の930m、南側の尾根に発生する斜面上昇風を利用して山頂までの標高差800mを昇る作戦だ。
強い南風が吹く日に軽い単座機でチャレンジする予定だが、山肌に接近して飛行する為の地形の習熟など事前の準備が大切だと思う。
写真は、山頂から東方2kmに位置する曲岳(1642m)とその中間にある観音峠(無線中継塔の所)、南風がこの谷にどんな気流を作るか想像してみた。
公園口09:10~茅ヶ岳10:45 1+35
茅ヶ岳11:15~公園口12:15 1+00

地獄の訓練の日々 Ⅰ

2008/03/23(日)

学科試験に合格して飛行経歴も積み実技試験を目指して訓練が終盤に入る頃、右席に座る教官が変った。
T教官だった!技量・経験ともに超ベテランだが自他ともに認める鬼教官で狭い機内はさながら修羅場と化す地獄の訓練が始まった。
特にナビゲーションやエマージェンシー訓練の極限的な状況下で意図して訓練生をパニック状態に落とし入れ、冷静な判断と的確な操作が出来るかを何度も試された。大げさな話ではない、罵声を浴びながらのフライトに楽しさや好きな事をやっている喜びは微塵も無かった。
ただ機長としての重圧に耐え続ける日々、自由の対極にある大きな責任の重さを徹底的に叩き込まれた。
あれから20年、定年退職を迎えるT教官のラストフライトに順番が回ってきた。
T教官が操縦する曳航機ハスキーに曳かれ安全高度の600mを越えた時、60m先を行くT教官の背中に無線で呼びかけた...continue 
写真は、双葉へ着陸態勢に入る直前にフォーメーションを組んだ練習機ファルケ(後席Y君撮影)が右旋回でブレイクして行く。
韮崎14:24~双葉15:18 0+54

グライダー操縦の基礎 Ⅴ

2008/03/16(日)

春を思わせる暖かな陽射しの中にサーマル(熱上昇気流)を感じた練習生も多かった事でしょう。
これから初夏にかけてがトップシーズン、条件の良い時にはソアリング(滞空)の醍醐味を存分に体感してください。
さて、話は相変わらず硬くてごめんなさい。早く上手になってファーストソロそしてライセンサーへ『 自由の翼をあなたの背中に 』そんな願いで書いています。
動力を持たないグライダーは、高度という位置エネルギーを速度に変換しながら滑空している事は座学で理解していますね。
この位置エネルギーを精算するのが『 着陸 』、文章で書くのは簡単ですがグライダーの着陸はやり直しが出来ない一発勝負!計画性と決断力が重要でベースレグの飛行で着陸が決ると言っても過言ではないでしょう。
写真は、D/Wの強烈なプラスで通常のパターンより大きく取ったベース(韮崎工業高校の外側)からこの後ファイナルアプローチへ最終旋回に入り、フルダイブ&
フォワードスリップで高度処理しました。
風の条件によってパターンの取り方は大きく変りますから要注意です。
それから低いのは絶対にダメですからね。
韮崎LCL10:18~10:38 0+20

グライダー操縦の基礎 Ⅳ

2008/03/02(日)

『曳航追随旋回』 漢字で書くとすごく難しく感じられますが、直線追随でしっかり占位点をキープしていれば大丈夫ですから曳航機が旋回を開始したらグライダーも間髪あけずに旋回操作に入りましょう。
でもその前に対空警戒!初心者は曳航機から目が離せない事を教官は理解していますが、旋回方向に首を向けての安全確認が鉄則ですからね。
さて、曳航中の旋回と自由飛行での旋回の違いを知っていますか?
旋回している曳航機の航跡は曲線を描いていますが、直線のロープに曳かれているグライダーが同じ航跡を描く為には以下の3項目を意識すると良いでしょう。
1.旋回の内側に引きずり込まれないようにラダーで機首を曳航機の外側の翼端に向けます。(写真は左旋回でグライダーの機首は曳航機の右翼端に)
2.曳航機の胴体内側が大きく見える時は内側に入り過ぎですから適正な胴体の見え方を覚えましょう。
3.旋回中も上下の占位点が重要です、大きく外さない様こまめに修正です。
本番では頭で考えている暇はありません!
日頃から教本をよく読んでイメージトレーニングをしましょう。
韮崎LCL14:33~14:48 0+15