八ヶ岳にツクモグサを探して

2020/06/21(日)

県境をまたぐ移動制限が解除されて初めての日曜日は3時のアラームで目覚めた。ローカル予報は曇り20%、松本地方は昼頃に晴マークがある。今日は本州では白馬岳と八ヶ岳だけに咲く「ツクモグサ」を見ることが目的なので多少の雨は覚悟で出掛ける。案の定、長坂あたりから小雨になりワイパーを掛けて高速を飛ばす。計画は美濃戸を基点に南沢~行者小屋~地蔵尾根~横岳~硫黄岳~赤岳鉱泉~北沢を下って美濃戸に戻る。天候と体力に余裕があれば行者から地蔵を文三郎に変えて主峰赤岳を絡めた八ヶ岳を代表する縦走コースを歩きたい。だが今年は思うように登れていないから無理は禁物。それでも毎週の湯村山トレーニングの成果は確実にあり、行者小屋まで休まず110分。さらに地蔵の頭まで60分と快調なペースを維持する。しかし問題はこの後だった。稜線帯は見事な高山植物のオンパレードが待ち受ける。天然記念物のキバナシャクナゲに始まり黒百合や紫の絨毯オヤマノエンドウ等々、知っているだけでも10数種類。何度も立ち止まりカメラを向けて歩が進まない。今日はタイムとの競争心は捨てて花々の競演を楽しもう。さて本命のツクモグサは石尊峰の手前に小群落を成していた。すでに綿毛になり始めた個体が多い中で遅咲きが僅かに残って咲いていた。(写真は保護ロープで守られているためズームで撮影)営業小屋は展望荘と硫黄石室だけで入山者は平年の3割程度と少ない。天気にも恵まれ、落ち着いて花を観賞した大満足の山行であった。
美濃戸05:40~横 岳10:10 4+30
横 岳10:30~美濃戸13:50 3+20 TX

大切な場所、大切な人

2020/06/07(日)

コロナに奪われた日常。登山もその例外ではなく自粛要請の対象とされて来た。それが6月1日から段階的に規制が緩和されて県内在住者の県内登山が許された。待ちに待ったこの日を迎え肝心の天気だが、昨日は夜半に掛けて関東地方の南部を中心に猛烈な雷雨が襲った。幸いこの雨は明け方には止み、県内中西部では日中には曇間から青空が覗く予報になった。平年の梅雨入りが甲信地方では6月8日なので今日は貴重なチャンスになる。本来なら今月28日にはキタダケソウを見に北岳に登る計画だった。それがコロナでバスの開通が1ヶ月延期になり断念。ならばと秋にテン泊で南アルプス縦走を目標にした。憎きコロナに負けない信念と魂を鍛えるため10kg位は楽々と背負って歩ける体力を持ちたい。だから今日はトレーニングを兼ねて毎年恒例の丸川荘へ野菜を届けることにした。丸川分岐の車道ゲートは閉鎖のまま、駐車場の先行者も2台だけと意外な静けさ。ミソギ沢の台風被害跡を過ぎて尾根に取り付くと直ぐに厳しい急登が始まる。雨上がりの新緑は眩しく吹く風は涼しい。山に登れる喜びを全身に感じながら登る。小屋では変らぬ優しい笑顔の只木さんと、今年は3日間で満開になったコナシの花(写真)が迎えてくれた。南に開けた草原状の地形の丸川峠に建つランプの山小屋「丸川荘」。シンボルツリー「コナシの大木」は小屋を包み込む程の存在感がある。
丸川分岐08:00~大菩薩嶺11:00 3+00
大菩薩嶺11:15~丸川分岐15:05 2+10(丸川荘にて休憩1+40)SC