懐かしの尾白川渓谷

2020/08/30(日)

尾白川渓谷から日向山に登るコースは40年前にC山岳部の仲間たちと頻繁に歩いた。山岳信仰の歴史に眠る数々の伝説、神秘の滝を巡る渓谷道は新緑や紅葉の季節はもちろん、一番は真夏の暑い時期に涼を求めて歩くのが最高の気分だった。それが残念な事に山全体が花崗岩の地質ゆえ歳月と共に風化が進み、また台風などの大雨で登山道は崩落して甲斐駒へのルートは消失した。現在は不動滝までの間に遊歩道が残っているが、千ヶ渕~神蛇滝までの渓谷道と、不動滝~錦滝の間、さらに雁ヶ原までが通行規制とされている。この懐かしい思い出のコースにY君を誘ってみた。登山口は日本三大急登で有名な甲斐駒ヶ岳の黒戸尾根入口になる白州の駒ケ岳神社で、人気のキャンプ場もあり、夏休み最後のファミリーで賑わう。神社にお参りして直ぐ脇の吊り橋を渡ればキャンプ場の喧騒は消えて、沢の水音と蝉の鳴き声だけになる。道は全体的に川床から一段上がった感じで、険しい場所は鉄製の階段が整備(落石で通行不可あり)されている。旭滝は滝壺まで下り滝の飛沫を全身に浴びる。百合ヶ渕は昔と変らぬエメラルドグリーンを湛え、眩く白い岩とのコントラストが美しい。再び吊り橋で左岸に渡ると、かつて行者が身を清めたと伝えられる不動滝(写真)に着く。下界の酷暑とは無縁の空間が広がる。現代を生きる俗人の我々はビールを冷やして昼寝で過したい所だ。ここで地図とコンパスで方位を確認し、沢から離れ矢立石から延びる林道(廃道)に向かって急斜面を這い上がる。心配した林道の崩落箇所も何とか通過できたが、気軽なハイキングで歩けた昔とは違い格段に厳しい。
駒ヶ岳神社06:55~日向山12:35 5+40
日向山13:35~駒ヶ岳神社15:10 1+35(矢立石経由)   TX

笊ヶ岳のアプローチ

2020/08/16(日)

昨年の盆休みに、クラブのY君と計画した笊ヶ岳は台風10号の速度が遅く断念した。その後も台風や秋の大雨の影響による登山道の崩落などで、早川町のHPで入山禁止を示す×印とされてきた。それが何時の間にか×印が△印に変っている。コロナで自粛ムードの盆休み最終日、どんな様子かY君を誘って、雨畑の老平(510m)から広河原(900m)、さらに山の神(1300m)まで歩いた。7時に駐車場に着くと先行者は1台だけで、近所の男性から駐車の指示を受ける。一般に無料の登山口駐車場に白線など無く、車の停め方ひとつにも登山者の山力が試される。駐車場からも良く見える布引山(2584m)は壁のように大きく、地元の人たちは登山者にどんな感情を抱いているのだろう。車1台がギリギリの細い林道の左下遥かに奥沢谷が流れ、その沢音から想像する水量に広河原が渡れるか不安になる。林道終点(600m)から山道に入り昔の軌道跡を進み、タケ沢に架けられた新しい吊り橋を渡る。道は沢の左岸山腹のトラバースで傾斜は緩いが、岩壁をくり貫いた場所もある。特に発電所の巡視路を左に分けた直後は一瞬のミスも許されない。右上から沢水のシャワーを浴び、左側の足下は草に隠れて油断しがちな垂直の崖っぷちになっている。この後も新しい落石跡があり、沢のザレ通過、傾いて落下寸前の橋ありと緊張が連続する。広河原の渡渉も慎重にポイントを選び裸足で渡る。沢床から右岸に一段上がった所と、山の神(写真)にテント適地を確認した。山梨グレーディング7-D笊ヶ岳(2629m)かなり手強い。
老 平07:20~山の神10:50 3+30
山の神11:50~老 平14:40 2+50   TX

第37回ふるさとの山に登ろう

2020/08/09(日)

登山も自粛ムードが広まる中、今年のクラブ運営に頭を悩ませている。特にグループ登山のリスクは高く、コロナ収束まで活動を休止する判断も選択肢にある。だがクラブ発足の基本理念である、豊かな自然の中を歩くことで得られるストレス解消と健康増進の効果は大きい。だからコロナと上手に付き合いながら新しいグループ登山のスタイルを模索してみたい。出来ることを考えてみた。1.参加人数を制限する。2.参加者の体力レベルに合わせ無理のない低山にハードルを下げる。3.マイナーコースを選び他の登山者との密を避ける。4.アルコール消毒液とマスクを持参する。今日は総勢5名で八ヶ岳の予定だったが、前日の予報で悪化、晴れの予報エリアになる県東部から大菩薩山系の黒川鶏冠山に変更した。7時発、落合集落(登山口)8時半着、運よく林道脇に駐車スペースがある。計画はコースの混雑を避け先に鶏冠山に登って、黒川山の見晴台で昼食、横手山峠を回って落合に戻る。総歩行距離7kmのコースタイムは4時間となっている。自身も落合からは初めてになるが、柳沢コースと同様に東京都水道局が管理する自然林の森は下草が刈られ明るく、風が通って涼しく心地よい。山頂直下で初めて他のグループと出会う。鶏冠山ではOさんがドローンを飛ばして動画を撮影、黒川山ではKさんのオカリナで山の歌を合唱して楽しい時間を過ごした。鶏冠山からの大菩薩嶺(写真)はピラミダルな山容を見せる。反省点もあったが次回の山行に活かしたい。
落 合08:35~鶏冠山10:50 2+15
鶏冠山11:15~黒川山11:40 0+25
黒川山12:35~落 合14:25 1+50   TX

新たな練習場所を求めて

2020/08/02(日)

あの山のあの頂へ。目標があったから続けて来た湯村山のトレーニングだったが、コロナでモチベーションが維持できない。せっかく梅雨も明けて本格的な夏山シーズンの到来なのに残念だ。オリンピック代表選手の気持ちも少しは分かる気がする。今日は午前中に時間が空いたので、5時起床で編笠山に登る予定だったが起きられない。それでも半日の自由時間を無駄に過ごすのは勿体ない。湯村山は人が多くてマスクも苦しいので、太刀岡山(1295m)に新たなトレーニングコースを設定しよう。登山口がある旧敷島町の清川集落までは車で15分と近い。先客はジムニーが1台だけ。ペットボトルとカメラだけ持って直ぐスタートボタンを押す。タイムは意識していないが、モチベーションが低下した状態の体力を計ってみたかった。亀沢川を渡って民家の軒先を潜って登山道が始まる。標高差約450m、標準タイム90分の鉄砲登りだ。しっかりした道だが、連日の大雨に濡れた木の根は滑りやすい。頑張るつもりは無かったが、休まず1ピッチで右手にガレが現れ、あまりに呆気なく祠が2基祀られた山頂(写真)に着いた。下山は北峰から越道峠へ下り平見城へ周回したが、ダラダラ歩きは性に合わない。次回は往路を鉄砲下りで戻ろう。
駐車場10:10~太刀岡山10:54 0+44(44.01)
太刀岡山11:00~駐車場11:55 0+55