風に舞う落ち葉

2005/10/30(日)

有視界飛行の基本は、地文航法 (地上の物標を目視で確認) なのだが、雲の切れ間からオントップ(雲上)に這い上がると、下層の積雲とは対照的に上層は秋の雲で、冷たく乾いた空気に支配され遠くまで雲海が続く、下界と隔絶された別世界が広がっていた。GPSの画面には、経路上の富士ICや伊東がプロットされているので、雲上飛行にも 不安はないが、目指す大島空港の気象情報を AEISセンター (エンルート情報サービス) に問い合わせると、視界は10km以上有るが高度1000m付近に雲が多い。熱海上空に雲の切れ間があり750mまで降下して、初島に向かうが極端に視界が悪く、戻りながら1500mまで上昇して再びオントップで大島を目指す。空港の北西15km、管制塔にキャンセルして帰ろうとした時、滑走路が見えた。写真は、富士宮の北5km高度2000mから雲海に浮ぶ富士山、雪はまだ少なく下半分の紅葉が美しい。この大自然のスケールから比べれば、小型機など風に舞う落ち葉と変わりない。
双葉11:33~大島12:43 1+10
大島13:55~双葉14:55 1+00

ハーフサイズの八ヶ岳

2005/10/23(日)

フェーン現象で、汗だくで登った3週間前の観音峠ルートとは対照的に、冬型の気圧配置で、この秋一番の寒気が流れ込みジャンパーを着て、日照時間日本一の明野村から、南西尾根ルートで金ヶ岳を目指す。コース半ばから急登になるが、赤松林の中に快晴の青空から降り注ぐ木漏れ日と、吹き抜ける冷たい風のハーモニーが心地よい。やがて尾根が痩せてくる頃、左手に大きな崩壊地 (爆裂火口跡) が現れ、一気に視界が広がり、富士山~南アルプス~八ヶ岳の絶景に疲れも吹き飛ぶ。写真は、1730m付近(紅葉は3分程度)からの八ヶ岳、1年前の10月24日に、強風に撤退した権現岳もよく見える。南西に広がる緩やかな裾野や、山容が似ている事から 「偽八ヶ岳」 とも呼ばれる茅ヶ岳には6本の登山ルートがあり、その何れも我が家からは半日で楽しめるハーフサイズの八ヶ岳です。
明野村09:30~金ヶ岳11:10 1+40
金ヶ岳12:10~明野村13:10 1+00

夢は必ず実現する

2005/10/10(月)

子供の頃から飛行機が大好きで、いつもノートに自家用機を操縦して日本中を飛び回る、未来の自分を描いていた。大人になってもその思いはさらに強く、気が付いたら飛行場の近くに家を建て、34歳でサラリーマンを辞めて人生の勝負に出ていた。だが甘くはない現実、苦しい日々の連続に何度も挫折感を味わうが、そんな時も夢が大きな支えになる。また、ライセンス取得の厳しい訓練の経験も、後の事業経営に大いに役立った。そして何よりも、努力して事を成し遂げた事で大きな自信も掴んだ。写真は、沼津上空2100mでフォーメーションフライト(編隊飛行)する同型機から撮影、そこには子供の頃ノートに描いた通りに、現在の自分が写っていた。(右下は西伊豆の大瀬崎) ・・・夢は心に強く思い続ける事で必ず実現する。

慣れに潜む危険 Ⅱ

2005/10/02(日)

甲府では10月としては最高気温の32℃を記録。上空にフェーン現象の強風が吹く金ヶ岳(1763m)の樹林帯で、下山中に不覚にも道に迷ってしまった。初めての観音峠ルート、南峰から急斜面を20分ほど下った辺りだ。迷った時は 「 解る所まで引き返す 」 が基本! 稜線に戻る覚悟で登り返すが、入山者が少ない為か、踏み跡が不明瞭でルートが見つからない。慌てるな!自分に言い聞かせ、コンパスで方位を調べる( NE )どうやら1本北の尾根を下っている様だ。手帳に方位と時間を記録して、靴紐を足首までしっかり締め直し、急斜面のトラバース(並行移動)を始める。写真は、何故か無意識に撮ってあった稜線の分岐点にある標識。30分近く、変化の無い景色に焦りを感じた頃、木の枝に赤いリボンを見つけた。
観音峠08:35~金ヶ岳10:00 1+25
金ヶ岳10:50~観音峠12:20 1+30