秋晴れの大菩薩

2021/10/24(日)

19日の雨が高山に雪を降らせ、良く晴れた20日は南アルプスや八ヶ岳の稜線は白銀が眩しかった。この日を境に季節が一気に進み、今日は甲府で初霜と初氷が同時に観測された。先週雨で延期された地域の清掃作業を終え7時40分に自宅を出て、急ぎ大菩薩のメイン登山口である裂石に向かう。途中の塩山駅ロータリーはバスを待つ大勢の登山客で賑わっている。昨日の冬型が緩み今日は高気圧ど真ん中の秋晴れが保証されているからだ。8時40分、登山口の駐車場はすでに満車でスペースの確保に難儀する。今日は常連さんの予約が有って只木さんが小屋番で上がっている。丸川荘に届ける玉ネギとキャベツを詰めたザックは約10kgになったがトレーニングには都合が良い。小屋まで1ピッチ、急な尾根道も快調に先行者を追い抜き目標の90分で登る。小屋の前は南に草原が開け(写真)牧歌的な雰囲気が漂う。何時もなら小屋で只木さんと話し込んでしまうが、今日は帰りに寄るからと嶺に向かう。直ぐに高校の山岳部20人が下って来て道を譲る。みな元気に大きなザックを軽々と背負い明るく爽やかだ。最後尾の先生も若いが見事に統制が取れたパーティーだ。今では少数派になった山岳部で、登山の基本をしっかり学んでいる姿を見て本当に嬉しかった。それに新鮮なパワーを全身に浴びて得した気分になる。しばらく急坂を行くと日陰の霜柱が本格的な冬の到来を告げている。予想通り賑やかな山頂は快晴の大展望だ。鳳凰と甲斐駒の間に見える仙丈も真っ白で3000mは完全な冬山に入った。 TX
裂石08:50~雷岩12:00 3+10
雷岩12:30~裂石14:45 2+15

特大高気圧の青空

2021/10/03(日)

8月の盆休みは停滞前線で、9月は日曜の度に不安定で満足な登山が出来なかった。それが10月は1日(金)に16号が抜けて台風一過の快晴でのスタートになった。今日は青木鉱泉を起点に紅葉のドンドコ沢を登り、地蔵岳から観音岳さらに薬師岳と鳳凰三山を縦走して中道を下る周回コースを計画した。5:00冷たい空気の中をヘッドランプでスタートする。12時間後の午後5時までに戻って来る計画だが、状況によっては2通りの変更プランを用意している。ドンドコ沢は短い距離で標高差1700mを登る急峻な修行の道だ。それでも厳しい登りの途中には幾つもの豪快な滝が有って展望台から眺めたり、滝壺に下りたり変化に富んで楽しい。長い急登が一段落して沢の源頭部になると正面に地蔵岳のオベリスクが見える。紅葉も2500mあたりが見頃でダケカンバの明るい黄色が青空に映えて美しい。9:30森の中に静かに佇む鳳凰小屋に着く。先ずは水の補給だ。この先のコース上で唯一の水場だから水筒を満タンにする。豊富に流れる正真正銘の南アルプス天然水だから旨い。外に居たご主人に、もしも御座石温泉に下山した場合に青木鉱泉への難路を尋ねると親切にアドバイス頂いた。それにしても雰囲気の良い場所だ。余りの居心地の良さに30分も休憩してしまう。さて急ごうラストの登りに向かう。風化花崗岩の白ザレは滑るから牛歩戦術で稜線を目指す。やがて賽ノ河原の子授け地蔵群が見えてきた。それと、どうだとばかりの空の青さ、1028hp特大高気圧の青空だ。稜線に上がってしまえば展望は360度の大パノラマが広がる。目標の12:00霜柱を踏んで最高点の観音岳(2841m)に立つ。3週間前に登った雨の富士山頂も、2週間前に登った霧の農鳥岳も今日は文句なしに一望できる。やっぱり山は天気だな。ありがとう高気圧!次回もよろしく!(TX)
青木鉱泉05:00~観音岳12:00 7+00
観音岳12:30~青木鉱泉16:00 3+30