「完全燃焼」

2020/12/31(木)

仕事も生活もコロナに翻弄され、計画は何もかも狂わされた。この如何ともし難い閉塞感に包まれたまま、何時にも増して早く過ぎた1年だった。2月から半年間の計画でスタートした創業30周年の感謝祭は順調に滑り出したが、4月の緊急事態宣言により中断し、そのまま中止を余儀なくされた。生き甲斐としている趣味の登山にあっても、南アルプス白根三山の入山禁止に伴なう広河原バスの運行中止が決まり、6月末に計画していた北岳(キタダケソウ)も断念に至った。さらに東京オリンピックも延期され社会全体を包む重苦しい空気のなかで、当然モチベーションは下がり、週一のトレーニングにも熱が入らなかった。だけど、このまま完敗で終わるのは不甲斐ない。こんな時こそ積極果敢を信条に攻めのライフスタイルを貫いてきた自身を奮い立たせたい。毎年ハードルを少しずつ上げている厳しい登山に挑もう。仕事を二の次にするのは本意ではないが、9月のSWを3連休にさせて頂き、山梨百名山の最難関とされる笊ヶ岳に登ることにした。2人用のテントを所有するクラブのY君が同行してくれる。8月にはトレーニングを兼ね、危険箇所が連続するアプローチの下見を行った。目標があれば頑張れるから単純な性格だ。迎えた連休初日は雨のため、予備日なしの1泊2日の日程になる。20kgのザックを背負い延々と続く急登は苦しかったが、無事に山頂を踏み計画のコースを踏破することが出来た。天候にも恵まれ完全燃焼した2日間だった。(写真は南アルプス南部の名峰群を一望できる山頂から聖岳)来年も更なる高みを目指して頑張りたい。

甲斐百山を歩く Ⅱ

2020/12/13(日)

下山は本で紹介されている深沢集落へ下りよう。菱山林道まで戻ったら東へ200mほど、ガードレールが切れた所が下山口とある。富士山を正面に見るその場所には、切断した倒木に古い銀テープが巻いてある。微かな踏み後もあり間違えは無いだろう。前回の失敗を踏まえ今日は焦らず慎重に行こうと思う。先ずは地図をよく見て地形をしっかり頭に入れる。忘れずコンパスに方位をセットする。コースタイムは飯縄大神まで0:25、切りの良いジャスト13:00に下山を開始する。いきなり落ち葉が積もった急斜面で始まる。しばらくは道らしき物があったが、それも大量の落ち葉に埋もれてはっきりしない。三人とも落ち葉でスリップして派手に尻餅を突きながらの急な下り、だが足元ばかりに気を取られていてはだめだ。進路を示すピンクテープは一つも無い。やっと見つけたのは木に巻かれ、色も褪せた黄色のビニールテープだ。近づいてやっと気付くが、それでも有難くほっとする。途中1ヵ所だけ、相当に古い時代の半分朽ちた道標が木に付けられている。忘れた頃に黄色のテープ程度で踏み跡らしきは無い。それでも左右が顕著な沢地形だから、信じた尾根を忠実にトレースする。やがてS氏が神社の屋根(写真)を見つけ、緊張から解放され同時に達成感で満たされる。このコース、山岳信仰の時代に甲州高尾山への登拝路だったのか?調べてみたい。
林道下山口13:00~飯縄大神13:30 0+30    TX

甲斐百山を歩く Ⅰ

2020/12/13(日)

2週間ぶりに休みが取れたので、甲斐百山の開いたページに登ることにした。P118 甲州高尾山(1092m)健脚度☆ 困難度★★ 運よく低山、登山口は勝沼ICから5分と近い。それに冬には最適の南向きのコースが嬉しい。甲州高尾山は過去に大滝不動尊から棚横手に登った時に足を延ばした。だが山頂と思われるピークに標柱などなく、その先は下りだったから釈然としないまま帰った。本当の頂上は何処だったのか、その疑問も解きたい。同行はクラブのS氏と、懲りずに付き合ってくれるY君のベストメンバーが揃った。大善寺からスタートする尾根は急坂で早くも汗がにじむ。40分程で主脈に上がると快適な稜線歩きになる。風もなく日差しは暖かいから上着はいらない。798m点から小さなアップダウンを経て930m点に到着する。ここから緩やかに下った後、本日最大の急登になるが時間にして僅か30分だから問題ない。残念なのはこの後、アスファルト舗装の林道が尾根を横切っていることで、興ざめする。直ぐに最初のピーク剣が峰(1092m)、次に高尾山(1106m)でそれぞれ立派な標柱が建つ。最後が最高点(1120m)で標柱は無いが今日も360度の絶景があった。手が届きそうな滝子山方面(写真)の稜線を目で追う。日差しは明るいが12月の風は冷たい。樹林に囲まれた本峰の高尾山に戻り、各自バーナーで鍋焼きうどんを調理する。寒い季節に温かい食べ物は有難く、最強のエネチャージだと感じる。さて、帰ろうか。
大善寺09:10~最高点11:40 2+30
高尾山12:40~大善寺14:30 1+50