登山の目的と手段

2008/10/19(日)

いかにも奥秩父の山らしい永遠に続く様な原生林のトンネルを抜けて森林限界の「 砂払ノ頭 」に飛び出す瞬間がこの山の一番の魅力だと思うが、歩行時間が約半分の大弛峠( 車で登れる日本一の標高点2365m )からの入山者が増え、昔ながらの金山平コースは閑散としていた。
登山の目的が単に頂上に立つ事だけなら、この標高差230mの大弛峠コースが体力的には楽で良いのだが、あまりに簡単に登れてしまい日本百名山を誇る「 金峰山 」の価値も半減で残念に思う。
確かに景色の無い単調な樹林帯の急坂では憂うつな気分になるが、岩稜に出て目の前に眺望が広がり、千代ノ吹上げの断崖に足がすくむ時この山のスケールを感じる。
それとちょうどコースの中間点で鷹見岩と大日岩に挟まれる大日小屋(写真)の周辺も良い雰囲気を醸し出している。登山道から一段下りた木々の間にひっそり建つ小屋の直ぐ前に水場が有り、時間が許せば陽だまりでのんびり過ごしたい。
開発が進み短時間で楽に登れる百名山が増えているが、困難を乗り越えた後の達成感こそが登山本来の醍醐味ではないのか。
瑞牆山荘09:30~金 峰 山13:10 3+40
金 峰 山13:35~瑞牆山荘16:30 2+55

頂に登らせて頂く

2008/10/12(日)

古くから山は神が宿るものとして崇められ信仰の対象とされてきた。
八ヶ岳の主峰、赤岳山頂 ( 2899m ) には赤獄神社が祀られているが、ベースキャンプ地として賑わう現在の 「 行者小屋 」 が信仰登山が盛んだった時代に、この赤獄神社の社務所として建てられた事を知る人は少ない。
その昔、精神の鍛錬や自己の研鑽を目的に難行苦行の厳しい修行登山が行なわれ、命をかけて登りついた山頂に修行者は何を見て何を感じた事か。
信仰登山からレジャー登山に、修行者から登山者に変った今日、山は何も変らずその荘厳な大自然をもって、ちっぽけな人間にその愚かさを教えてくれる。
写真は、横岳の二十三夜峰にある石碑で縦走路の脇に有り目にする人も多い。
他にも石仏などが点在する八ヶ岳は山全体が神々の庭である事を感じさせる。
だから登山者は 「登るではなく、登らせて頂く」 この気持で山に入ってほしい。
地蔵仏に手を合わせ 「今日も元気に登らせて頂きありがとうございました」 感謝の気持で地蔵尾根を下った。
美濃戸07:45~地蔵仏12:55 5+10(赤岳鉱泉~硫黄岳~横岳経由)
地蔵仏13:40~美濃戸16:15 2+35(行者小屋経由)

山の天気

2008/10/05(日)

百名山人気で混雑する表コースを避けて独り静かに歩きたかった願いは林道「 通行止 」ゲートに空しく阻まれた。
今日は瑞牆山の裏側で地図の記載も点線の不動沢コースを計画して出掛けた。
通常はみずがき湖で右折して増富経由で表登山口の瑞牆山荘に向う所、左折して黒森経由で小川山林道を目指したが工事中のゲートで封鎖され往復2+30の林道歩きを加算すると下山途中に雨に遭う確立が高い。
今朝のローカル予報は曇りで雨の降り始めは夜遅くから、だがこれは平地での事で山では天気の崩れは半日早く、また回復は半日遅いと考えた方が良い。
近くに適当な駐車スペースが無い事も理由にして表登山口に廻った。
写真は、山頂から東方面の眺望で紅葉が始まった奇岩群の向うに倒木と原生林で不明瞭な道が続く小川山(左端)が見える。
14:00前から降り出した雨が15:00頃からは本降りになり、登りで相当時間を費やしていた20数名のご年配の一団が無事に下山できたか気に掛かった。
瑞牆山荘09:40~瑞 牆 山11:40 2+00
瑞 牆 山12:15~瑞牆山荘14:00 1+45